縮毛矯正のダメージはアルカリと還元剤による還元、酸化反応という化学変化とブローやアイロンなどによる熱によって起こります。カラーよりも比較的phは抑えられていますが、還元と酸化と言う2段階の化学反応と熱を加えて形状変化をさせている事が縮毛矯正のダメージの問題となっています。
アルカリ度とphのバランスと還元主剤の種類や性質を理解して施術する美容室はほとんどありません。envieは普通の美容室の7〜8倍の種類の薬剤を扱っていますがそれでも全てというにはほど遠いくらいの種類があるんです。
還元主剤の詳しい情報は→還元主剤情報
薬剤と熱によるダメージという大きなダメージ要因を2つ持つ縮毛矯正は最もダメージに気を使わなければいけない施術と言っても過言ではありません。
縮毛矯正はサロンによる違いがはっきりとわかる施術です。
良い薬剤を使えば傷まない。
この薬剤は傷まない。
専門店なら傷まない。
と言った単純なものではなく、知識や技術、経験ではっきりとした違いが出ます。
傷みの要因が多い縮毛矯正ですが、修復剤との相性はかなり良いので矯正の薬剤だけでなく修復剤の性能や知識がある事がダメージを抑制するには効果的です。
髪の状態や髪質は人それぞれですし、同じ頭でも髪が細かったりクセが強かったりと条件が変わります。
この条件に即座に対応して最適、最善の方法で施術する事がダメージの少ない縮毛矯正に繋がります。
どんなに良い施術をしても縮毛矯正後の髪は健康な髪に比べ、傷みやすい状態になっています。サロンでのトリートメントやご家庭でのヘアケアが1ヶ月後、2ヶ月後のダメージを左右します。
縮毛矯正後はアイロンやコテはもちろん、無理なブロー、ホームカラーなども控えましょう。
基本的に縮毛矯正の伸び率と持ちは
薬剤の強さ×固定する熱量で決まります。
どちらかが弱くなれば、伸びなかったり持ちが悪くなってしまいます。
かといって適正を超える薬剤や熱量はダメージの原因となりますので注意が必要です。
薬剤と熱量の矯正の種類による関係は
アイロン矯正=薬剤(弱) × 熱量(大)=伸びや持ちが良いが、熱ダメージが高い。
ブロー矯正=薬剤(強) × 熱量(小)=自然な仕上がりになるが、薬剤のダメージが高く、伸びと持ちが悪い。
低温矯正=薬剤(中) × 熱量(中)=両方のメリットがあるように思われがちだが中途半端。
となっています。
各矯正の種類によってダメージやデメリットへのアプローチが変わります。
ちなみにブロー矯正をアイロン矯正に変えるのは比較的危険が少ないですが
アイロン矯正をブロー矯正に変えると失敗されるケースが多くなります。
これはブロー矯正からアイロン矯正への変更の場合は薬剤が弱くなり、熱効率の良いアイロンで伸ばすのでリスクは少ないのですが、
アイロン矯正からブロー矯正に変える場合は薬剤のパワーが強くなり、特にアイロン矯正した中間〜毛先に対する薬剤リスクが高くなり危険です。
どうしてもアイロン矯正→ブロー矯正に移行する場合はリタッチ(根本のみ)の施術にしましょう。
ちなみにenvieではブロー矯正とアイロン矯正を組み合わせてお互いのメリットを引き出すような
施術を心掛けています。
良く聞かれるのが「縮毛矯正後はどれくらいシャンプーしない方がいいですか?」って質問。
アンビーでは24時間はシャンプーしない事をお勧めしています。
縮毛矯正直後の髪は非常にデリケートですのである程度時間をかけて落ち着かせた方が
安定するという考えのもとのアドバイスです。
直後にシャンプーしたからと言って縮毛矯正がとれたりはしませんが
髪の安定やダメージを考えれば出来るだけしない方が良いと思います。
縮毛矯正向きのシャンプーは髪質にもよりますが
比較的しっとりしてて、洗浄力の弱いものがオススメです。
トリートメントもしっとり系の方が落着きが出て扱い易いです。
前述のとおりenvieでは24時間洗わない事をお勧めしています。
この内容は美容師の間でも賛否がわかれる所ですので
すこし詳しくenive的見解を書いておきます。
洗わない方が良い派の理論は
酸化が充分ではないので不安定
アルカリが残っているので不安定
と言うのがメインの理論です。
洗っても良い派は
酸化は乾燥とアイロンでほぼ完了しているし、2液処理してるんで問題無し
弱アルカリやアルカリキャンセル、アシッドリンスなどでアルカリを抑えるんで問題無し
と言う感じです。
実際しっかり縮毛矯正した髪はその日に洗っても癖が戻ったりはしません。
これが洗っても良い派の意見が正しいようにも見える原因です。
実際「洗っても良い派」の美容師さんの中には
「洗ってはいけない派」の矯正を自分で不完全といってる技術売る下手な美容師と見る人もいます。
「癖」だけを見れば洗っても大丈夫です。
でもダメージや髪の安定性を考えれば少しでも不安定な要素は
取り除いた方が良いとenvieは考えるのです。
乾燥やアイロンで酸化が完了していると言っても、2液処理をするのは
不安定な要素がある証拠では無いでしょうか?
しかも通常パーマのでは2回の2液処理をしますが
縮毛矯正では1回のみです。
しかも縮毛での1液処理は通常のパーマよりもはるかに長い時間(15〜30分)かけて
髪の中に浸透し髪の結合を切ります。
それに対して縮毛矯正の2液処理は短い時間しか作用しません(5〜10分)
乾燥やアイロンだけでどこまで酸化が進んでいようと、わずかな不安定要素が
残る(癖が戻らない程度)のでないかとenvieは考えています。
もう一つのアルカリ処理も髪のアルカリはどんな処理を無くなる事は無いのです。
そのアルカリを抑える為にアルカリキャンセルやアシッド処理をするのですが。
アルカリの方が後から付けたアルカリキャンセル剤よりも遥かに奥に残留しています。
これを「洗っても良い派」の美容師さんは
コップやビーカーでのph抑制実験などで自分の正しさを証明しようとするのですが
わたし達が扱ってるのは「髪」です。
奥に残っているアルカリを表面に乗せたアシッドキャンセル剤でどこまで抑制出来るのか?
そのアシッドキャンセル剤はすぐシャンプーする事によって落ちてしまうのでないか?
というリスクをenvieは考えるのです。
ちなみにenvieでも弱アルカリの薬剤であるとかアシッドキャンセル剤は使います。
さらに炭酸泉などでアルカリを除去する行程も行い
2液処理も充分に行います。
それでもわずかな不安定要素が長い目で見れば
髪の状態に及ぼす影響を考えると
「24時間洗わない事」をお勧めする事にしています。
でも前述の通り絶対ではないのです。
せっかく高い料金を払って
長い時間をかけて
キレイにした髪ですから
出来るだけ100%に近い状態を保って欲しいと思うので
envieでは「24時間洗わない」をお勧めしています。
汗をかいたり
雨にぬれたり
臭いが気になって
しまったら
洗っても大丈夫です。
洗っても大丈夫な処理は充分にしています。
でも100%ベストな状態を望むなら
24時間待った方が良いですよ!
とenvieは思うのです。
サロンブログでも縮毛矯正の事書いてます。
男性の縮毛矯正
男性の縮毛矯正のお話。
低温縮毛矯正、水縮毛矯正、ノーアイロン矯正って良いの?
世の中の魅力的なネーミングの矯正を斬ってみました(笑)
やっぱりお薬が違うのかしら?
薬剤だけが縮毛矯正の良し悪しを決める訳じゃないよってお話。
妊娠中の縮毛矯正について
妊娠中の縮毛矯正施術の雑感や注意点
数値で見る縮毛矯正の残留アルカリ その1
数値で見る縮毛矯正の残留アルカリ その2
縮毛矯正の残留アルカリについて実験してみました
☆検証☆縮毛矯正とアイロンどっちが傷むの?
毎日のアイロンと縮毛矯正はどっちが傷むの?ってのを実験してみました。